No.9:「日本のカルチャーの改善案の提言」
2012年3月26日 遠藤正昭
1. まえがき
@ この課題を取り上げた理由とねらい
この東日本大震災によって、現在の我々日本人の価値観、物の考え方、マネージメント、組織仕組み等々の問題点がいろんな面で顕在化した。我々はこの機会を改善のチャンスと考え、これら問題点を改善する為に必要なアクションを取り纏め、提言としたい。
A プロジェクトメンバー
青木康子、荒井康全 、一井 賢、折山正武、清水 優、田中信義、本間敬之、矢野 昭、遠藤正昭(リーダー)
2. 提言の内容:結論
@ 先ず、単純に日本人の良い点、悪い点を列挙すると以下の様に集約された。
良い点 |
改善すべき点 |
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l 人間としての優れた資質 器用、真面目、執着心、誠実、正直,優しい、親切、熱心、性善説、謙虚 |
l 役割認識・使命感の欠如 |
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l リーダーシップの欠如 |
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l 大人の判断が出来ない |
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l 平和的で寛容な気持ち (宗教、人種、異民族等々に対し) |
l 企画計画能力が弱い |
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l 歪んだ平等主義 (機会やプロセスの平等より 結果の平等を期待する) |
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l 社会秩序を重んじ、向上心が強い |
A 上記問題点の本質は「戦後の日本成長を支えて来た我々の公私共のやり方が、グローバル化・IT化が進
む現在の世界の情勢に合わなくなって来た」という事である。 言い換えれば、今後日本が生き残っていく為には「過去の成功に捉われず、新しい価値観、考え方、仕組み等に切り替えて行かなくてはならない」という事である。
B 上記の問題点について、原因を解析し、我々の目指す社会を以下のように取纏めた。
「日本人が国際社会の中で世界の平和と発展に貢献する独立国日本の国民として、
心豊かに安心して暮らせる社会にしたい」
C 進め方はKJ法を活用したが、フランクで公平な議論が出来極めて有効であった。
D 次に、以下の五つの視点で対策案を策定し、我々の提言とした。
1、国際化 2、競争力 3、成熟した大人の社会 4、国家の体制と行政の仕組み
5、技術力
E 今後の改善の為の提言(対策案)の重要な点を以下に示す。
視点 |
対策案 |
国際化 |
1. 歴史教育の全面的見直しと改善:諸外国と共存共栄を図る原点として、近現代史で近隣諸国に振り回されない正しい歴史認識 |
2. 外国人の価値観、組織、しくみ等の理解を深める教育:世界的視野 | |
3. 在日留学生の支援:国際交流の強化 | |
グローバルに展開する強い競争力と秩序ある自由競争 |
4.
日本のマネージメント方式の見直し改善:外国人にも通用可 ・ 定量的な物差し ・ 期待する成果だけでなく、副次効果、副作用、リスクも明ら かにした意思決定プロセス及びその可視化 ・ 未然防止/再発防止への注力とPDCA |
5. 国際規格への適合と活用 (ISO規格) | |
6. 日本的ビジネスの修正:国際的なやり方との交流可能 | |
義務と権利がバランスし、自立した公正且つ進取に富んだ成熟した大人の世界 |
7. 学校教育の改革:個性を大切にし個々の能力を伸ばす、論理的 思考、自らの発信能力、社会貢献 |
8. 全ての機会でのOJT:自分の身は自分で守る、自分の意見持つ と共に他人の考えも尊重、建設的議論(妬み、愚痴、悪口から 脱却) | |
9. メディアの在り方の改善(希望) | |
しっかりした危機管理体制を持ち、国益を守り、世界の国々と共存共栄を図れる逞しく健全な政府と議会及び無 駄のない生産性の高い行政 |
10. 独立国家として、自国の伝統文化に裏打ちされた魅力ある社会 の実現: ・ 政治・行政の仕組み:実情に合った未来を先取りする法改正 (含む憲法)、公務員改革、道州制などの行政システム、etc. ・ 国民の意識・人生観:物質的豊かさだけが幸せか |
11. 危機管理の充実 ・ 縦割りではなく総合的な情報管理、常時緊急事態に備える体 制、政権交代や党利党略に影響されない行政システム ・ 予防、応急対策、二次災害防止、復旧・復興の四つの仕事 ・ 訓練と人材の育成 |
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世界をリードする技術力 |
12. 大学の教育、研究環境のレベルアップを図る |
13. 産・官・学協同の研究体制、育成環境(税制他)の整備 | |
14. 国家の中長期技術戦略策定の為の情報収集、発信機能の強化 |
3. HEARTの会の活動への提言
@ 外部への社会貢献活動の活性化
A) HEARTの会の会員は高齢者が多い、しかし体力に若干の衰えはあっても、過去の貴重な体験と豊富な知識 は、若者や現役世代には大変役に立つものである。これらを若い世代との交流や講演により伝えていく ような活動を創出し、その中で我々の提言を進めていく。 (講師派遣活動)
B) 我々会員の多くは沢山の蔵書を持っているが、些か持て余して居られる方も多い。これ等の所謂古本を アジアなどの国々で必要とする方々に贈呈して行く。 (不要となった蔵書の贈呈活動)
A 内部の活動の活性化
A) 会全体ではなく、地域毎とか同好の士の集まりの様なローカルな小グループの活動を育成、活性化して 行く。(現状の詩吟の会、川柳の会のような活動)
例えば、歴史の勉強会、日本の古典の勉強会、心と身体・健康の集い、インターネットやスマホの勉強 会、ゴルフ会、etc.